遠征編5

□No.86
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―ラショウさん…厄介な味方を付けましたね―



心の中でヒスイは呟く。





ヒスイ:「…ええ…ミネ様が出会う事は予想外でした……しかし……ラショウさんの作戦は…その方の命を危険にさらすもの…知ればミネ様も黙っていないでしょう…」


??:「仕方ないよー……
…指輪を奪おうとする影の集団にその子の指輪を奪わせ…
時空を越えようとした所をラショウ達が捕獲し、影のリーダーが所持している指輪も含め二つを一度に奪う……
その方が作戦的に効率がいいんだ…」


ヒスイ:「その為に犠牲を出しても構わないと…?
その様な考えは認められません…」


??:「この作戦の成功と失敗にー…それ以上の多くの命が懸かっている事を忘れないでね?」


ヒスイ:「………。
…では…それとリンドウを野放しする事には何の意味が…?」


??:「……どうやらキミはリンドウ君を悪者と勘違いしてるらしいねー……
けどリンドウ君は今回の作戦には欠かせない存在だ……
作戦を遂行させる為にも、彼は彼なりに色々考慮しなければならない事があるんだよ…」


ヒスイ:「……」


??:「だから君が邪魔してはいけないんだ…
何度も言うけど…作戦の為に…ね」





ヒスイ:「………」







??:「……さて…長居は無用…
僕がキミ達の味方だと知れたらー…あの人に殺されるからね…」


そう言うと謎の仮面男は疾風と共に姿を消した………


暫くその方向を見ていたヒスイだが、
深い溜息を吐いた後…また目を伏せ縁側に腰を下ろす…


ヒスイ:「…まだ…何か私に隠し事をしているのですか…ラショウ殿…」


薄紫に染まった空には、うっすらと星が瞬いていた…



 
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