復活
□誓い
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愛する隼人へ
Buongiorno 隼人
貴方がコレを読んでる頃には私は貴方の前で死んでるでしょうね。
きっと隼人の事だから、その温かくて大きな腕のなかで私は死んでいるでしょう。貴方は優し過ぎるから。
まずは、お礼を言わせてほしいの。Grazie.
私はきっと幸せだと思う。愛しい人の中で死ねて、愛しい人の手で殺されて。感謝してるわ。きっと隼人が殺してくれなければ、私は天国なんかにはいけなかったかも。
ねぇ、隼人殺してしまうくらい、好きなの。大好きなの。愛してるの。
「何してんだよ…」
「あ、隼人。んとね遺書書いてた」
「遺書ォ?」
「うん、私が死んだときの」
「何考えてんだ。不吉な事言ってんじゃねーよ」
「そんで、出来たらコレ持って任務に出ようかと」
「持たなくていいし、なんだよ…その文頭」
「あぁ、コレは私の願望」
「願望?」
「うん、もし私が死ぬような事があったら隼人に殺してもらおうと思って」
「はぁ?勘弁してくれ」
「え〜いいじゃん」
「誰がそんな、めんどくさい事やんなきゃなんねーんだよ。パスパス」
「じゃあ、私が敵のマフィアに殺されてもいいの?」
「せいぜい殺されない様にしやがれ」
「酷い、隼人」
「バァカ、自分の体くらい自分で守りやがれ」
「…じゃあさ、」
「あ?」
「最期に抱きしめてくれる?」
「抱きしめてほしーのかよ」
「うん、死ぬなら隼人の腕の中がいい」
「…お前さ、恥ずかしくねーの?」
「別に。もっと恥ずかしい事してるし」
「そこ、恥じらい持て。頼むから」
「ボスに言ったら、顔真っ赤にしてた」
「十代目に何言ってんだ!!」
「ヒバリンに言ったら"咬み殺す"って言ってた」
「(多分、俺 今日死ぬな)」
「でもね、私言ったの」
「は?」
「隼人を殺すのは私だからって」
「お前 俺殺す気かよ」
「うん、他の人間に隼人が殺される位だったら私が殺すよ」
「おっかねー」
「だから、」
「あ?」
「だから、隼人も私を殺してよ」
「だから言ったろ。俺は殺さねーよ」
「なんで?」
「好きな女殺すくらいなら俺が死ぬ。お前が死んだら俺も死ぬ」
「わぁ、名言」
「全然感心もってねーだろ」
「ううん、素敵」
「でも、お前は真似すんなよ」
「え?」
「俺が死んでもお前は死ぬな」
「…なんで」
「俺の分まで生きてもらわなきゃ困る」
「隼人がいないなら、生きてる意味ないよ」
「死んでも俺はお前の中にいんだろ」
「うん、隼人は消えないよ。けど、寂しい」
「十代目達がいらっしゃるだろ」
「隼人には変えられない」
「…あ」
「何?」
「別に誰が殺すとか考えなくてもいいじゃねーか」
「え?」
「なぁ、起きろよ」
いつまで寝てんだ。もう帰らないといけねぇだろ?十代目たち待ってんだからさ。待たせるわけにはいかねぇってお前も分かってるだろ?なぁ。聞いてんのか。
「獄、寺…」
「あぁ、山本か。悪ぃ、今こいつ起こすからよ」
「…ッ、」
「ほら、山本も待ってんだろうが」
「獄寺、お前…ッ…!!」
痛ってぇな、何しやがんだ野球馬鹿のくせによ。スーツ伸びんじゃねぇか。わざわざこいつが採寸してくれたんだぞ。
「よく見ろ!!!!」
「…」
「こいつは…!!」
あの日の言葉はただの偽りでしかなく
(俺がお前を護ればいい話だろ?)
20090225 加筆