銀魂長編

□正体
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遡ること、20年前。当時『天人』と呼ばれる生き物が江戸に襲来し強く開国を要求してきた。『天人』は姿形、人間とは異なるが知能などは人間と等しいか又は上であった。侍達はその天人達に危機感を覚え、侍が集結し一斉蜂起して戦った。




「それが知っての通り、攘夷戦争…」




幕府は天人の強大な力を見せられあっさりと開国を許してしまう。それにより地球にはたくさんの天人が来るようになった。その事により侍達は各地で天人を追討しようとする動きが出てくるようになりはじめた。




「ここまでは皆さんの知っている通りです」

「あぁ、その後の攘夷戦争は10年間続いたとか…」

「副長の言う通りです。基本的にこの攘夷戦争は侍達の負け戦…と言っても過言ではありません。ですが…」




内心、天人達も焦っていたのだという。いつまでも長引く攘夷戦争でもし強大な力を持った侍が現れた場合…等と、怯える連中もいた。そこで天人の幹部達が話し合い、天人の優秀な技術能力を持った者を集めた組織…『闇風』を結成したという。






「やみ、かぜ…?」

「はい。ここからは裏話です」




幹部達が最初に闇風に対して出した命令があるという。しかし、その命令は闇風にとって最初で最後の命令だったらしい。





「最初で最後……?」

「はい、」

「その命令ってのはなんだ」

「それは…
















人間と同じ身なりをした兵器の開発です





天人達は確実に開国をしたいがために、恐ろしい兵器をつくろうとしていた。人間と同じく血を通わせ、五感を持つ兵器。
闇風は慌ててその兵器を造ろうとした。色々な遺伝子を組み合わせ、実験を重ねた。
本体が出来上がると、その兵器が使う武器も開発された。




「そんな事が許されるわけないぞ…」

「局長のいう通り、人口的に人の命を生み出すとなるとそれは絶対に許される事じゃない」

「……もはや、神の領域…」

「えぇ」

「その兵器はどうなったんでさァ」

「それが、これから先の資料がなくて…」





申し訳なさそうな表情をする山崎。目の下にはうっすらとクマが出来ていた。





「山崎、ご苦労だった。そこまで詳しく調べるとはな」

「局長…」

「お前は暫く休め。寝てないんだろ」

「しかし…まだこの先の話は…」











「それから先は私が引き受ける」







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