学園アリス
□1magic
1ページ/6ページ
暗黒魔界
それは、地球と似て異なる世界
化学技術の代わりに魔法が発達していて
人々が魔界と称す世界
執事「お嬢様、どちらへ行かれるのですか?」
『…人間界』
執事「また…。何故、人間界などという下等な世界へ行かれるのです?」
『別に良いじゃない、暇つぶしよ』
執事「早めにお戻り下さい」
『さぁ?』
執事「…お嬢様の居ない暗魔界が、どれほど私達に不易なことかお分かりでしょう」
所詮、私は暗魔界のお飾り
『形さえあれば良いなら、魔法で私のクローンでも作っておけば?それに、私が居ない方がみんな安心して暮らせるでしょ?』
執事「そのような高等魔法、お嬢様にしか扱えません。それに、魔王様も魔姫様も心配されます」
何を今更、分かってるのよ…
お父様もお母様も、アタシの事を恐れているって
貴方だって同じでしょ?
執事「…とにかく城へお戻り下さい」
『…アタシが居なくなると困るのは、対立してる明魔界(明白魔界)との調和条約のまされるからじゃないの?』
執事「……」
『暗魔界の方が上で居られるのは、次期魔姫になるアタシのことを明魔界が恐れているからよね』
執事「…お願いですから、お戻り下さい」
『少しくらいバレないわよ』
アタシが姿を現さない方が皆いいだろうし
だから、部屋にずっと居るんだけどね
執事「人間界に行って何をなさるおつもりで」
『同じ歳の人間の子供はどんな事をしてるのか、少し興味があってね』
執事「出来るだけ早くお戻り下さい」
『あら、諦めたの?』
執事「私などが止められるはずもありません」
『あらっ、賢い選択。術をかけられたく無いものね』
執事「…お気を付けて」
『ふーん、気をつけてか…ありがとう。じゃあね』
私の為に数年かけて育成された、数代目の執事みたいだけど
所詮、此処まで
私を矯正させる力なんてない
ビュンッ
生まれ持つ能力で人の価値が判断されるそんな世界
能力に恵まれる者は世に優遇され
持たざる者は冷遇
けれど、能力を持て余す者は人々の恐怖心を煽り迫害される
そんな世界で、誰が幸せになれるの?
→