学園アリス

□1magic
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暗黒魔界

それは、地球と似て異なる世界

化学技術の代わりに魔法が発達していて

人々が魔界と称す世界




執事「お嬢様、どちらへ行かれるのですか?」

『…人間界』

執事「また…。何故、人間界などという下等な世界へ行かれるのです?」

『別に良いじゃない、暇つぶしよ』

執事「早めにお戻り下さい」

『さぁ?』

執事「…お嬢様の居ない暗魔界が、どれほど私達に不易なことかお分かりでしょう」


所詮、私は暗魔界のお飾り

『形さえあれば良いなら、魔法で私のクローンでも作っておけば?それに、私が居ない方がみんな安心して暮らせるでしょ?』

執事「そのような高等魔法、お嬢様にしか扱えません。それに、魔王様も魔姫様も心配されます」



何を今更、分かってるのよ…

お父様もお母様も、アタシの事を恐れているって


貴方だって同じでしょ?



執事「…とにかく城へお戻り下さい」

『…アタシが居なくなると困るのは、対立してる明魔界(明白魔界)との調和条約のまされるからじゃないの?』

執事「……」

『暗魔界の方が上で居られるのは、次期魔姫になるアタシのことを明魔界が恐れているからよね』

執事「…お願いですから、お戻り下さい」

『少しくらいバレないわよ』


アタシが姿を現さない方が皆いいだろうし

だから、部屋にずっと居るんだけどね



執事「人間界に行って何をなさるおつもりで」

『同じ歳の人間の子供はどんな事をしてるのか、少し興味があってね』

執事「出来るだけ早くお戻り下さい」

『あら、諦めたの?』

執事「私などが止められるはずもありません」

『あらっ、賢い選択。術をかけられたく無いものね』

執事「…お気を付けて」

『ふーん、気をつけてか…ありがとう。じゃあね』



私の為に数年かけて育成された、数代目の執事みたいだけど

所詮、此処まで

私を矯正させる力なんてない



ビュンッ


生まれ持つ能力で人の価値が判断されるそんな世界

能力に恵まれる者は世に優遇され

持たざる者は冷遇

けれど、能力を持て余す者は人々の恐怖心を煽り迫害される


そんな世界で、誰が幸せになれるの?



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