『あー喉渇いたー』


何か飲み物はないかと食堂に入り、辺りを見回してみると。
その目に留まったのは一杯の水。
それは机の上にぽつん、と取り残されている感じで。
誰かの飲み忘れだろうか。
一口もつけずに放置されていた。


『まあ、いっか。貰っちゃおっと』


シルヴィアはそれを一気に飲み干す。
ごくん、と液体が喉を通った音が響く。


『美味しかった〜!!やっぱ喉渇いた時には水よね』


すっかり機嫌が良くなって部屋に帰る途中。
異変は起きた。


((……あ、れ??))


身体が、熱い??
内側からじわじわと熱を帯びていく感じがする。


『ぅ……ぁ…??』


とうとう立っていられなくなって頼り無く廊下の壁際にしゃがみ込んだ。
頭が回らなくなって息が荒くなってくる。


((何…これ…??))


一体この身体はどうなってしまったのか。
頭が働かない代わりと言っては何だが言い知れぬ性的欲求に頭も身体も支配されていく。
悪戦苦闘を繰り広げているシルヴィアを他所に、基地内をうろうろしていたアポロに偶々見付けられた。
アポロは此方に気が付くと不思議そうな顔をして近付いてきた。


「シルヴィア??」

『…っ、アポ…ロ…』

「何してる…っつーか、顔色悪いぞ??大丈夫かよ」


何も知らないアポロはシルヴィアの顔を覗き込むと頬に手を添えられた。
それだけなのに身体は異様な反応を示してしまって。
更にシルヴィアの顔から血の気が引いていく。
実際は紅くなっているのだけれど。


『何でも無い…っ…から…』

「でも顔赤いぞ」

『あ、暑いだけ…よ』

「無理すんなって。一回部屋戻れよ、連れてってやるから」


ぐい、とアポロに手を引かれると。
急に動いたせいか熱が身体中で渦巻いた。


『……もお、無理っ…!!』

「あ??…って、うわ!!」


シルヴィアはアポロに抱き着くと自分からキスをし出した。
慌ててアポロが止めたがそれでもシルヴィアの眼は虚ろで聴いているのかいないのかよく分からない。


「どうしたんだよ…」

『……シたい』

「はあ!?つーか、こんなとこで出来るわけ無えだろ!!」

『分かってる、よ…だから…部屋戻ったら…シて』


涙目の上目遣い程下半身に刺激的なものは無い。
こんな状態になってしまったシルヴィアが心配だが相手は何より早くヤって欲しいらしく、更に身体を密着させてくる。


「分かったから…一回離れろ…な??」

『……うん』


シルヴィアはどうやら歩くだけの余裕が無いらしく結局俺が抱っこして部屋まで連れて行った訳だが。


『ん…っ…ありがと』

「どういたしまして」


ベッドの上にシルヴィアを下ろすとまた自分からキスをねだってきた。
本当にどうしたんだろう、こいつは。
………まあ、良いか。
後から聴けば良いんだし。
それにしてもやられっぱなしは気に食わねえな。


『――…っ!?』


それまで唇を重ねるだけだったキスが急に深いものになり、シルヴィアは一瞬目を見開いた。
アポロに頭を押さえ付けられて舌を絡められて。
上手く息が出来ない。
そのままベッドに押し倒されて衣服の中にアポロの手が入り込んできた。
既に立ち上がった突起物を摘んでやると息苦しそうに身体を押し返してきた。
心底苦しそうにするものだから唇を離してやると、シルヴィアの口端からはどちらのものとも言えない唾液がだらしなく伝っていた。


「…エロい顔だな」

『う、煩いわね!!』

「怒んなよ…」


耳元で低く囁いてやるとそれだけでもシルヴィアは感じてしまうらしい。
ひくん、と肩を震わせた。
みすみすそれをアポロが見逃す訳も無く、胸をまさぐっていた手を腿の辺りまで移動させていった。
内股を撫でられるとぞくりとした感覚が背筋を走る。
アポロは焦らすように敏感な所はなるべく避けて、その周りだけを執拗に撫で回した。


『焦らさないで…よ…』

「へえ…どっか触って欲しいのか??」

『な…!!意地、悪っ…!!』


シルヴィアは焦らすアポロの手を掴んで無理やり秘部に触らせて指を動かせた。


「お前っ…」

『…こんなことっ…したくないのにぃ…』


恥ずかしい。
こんな事をしたらアポロに嫌われるかな??
でも身体は言う事を聞いてくれない。
頭の中がぐちゃぐちゃになって訳が分から無くて涙が零れた。


『ヤだ…こんなの、ヤだよぉ…っ』

「そんな泣くなよ…」

『ひぐっ…うう…私の事嫌いに…ならないでえ…』

「…馬ー鹿」


アポロはにやり、と笑うとシルヴィアに動かされていた指を自分で動かし始めた。


『ひくっ…!?ふ…あ…!?』


中で折り曲げられた指が良い所に当たってつい高い声が上がる。
シルヴィアの頬を伝う涙を舌で掬ってやるとしょっぱい味がした。


「そんな簡単に嫌いになるかよ。お前こそ俺の事嫌いになったりすんなよ??」


アポロが先走りに濡れた自身を宛がうとべとべとになっていたシルヴィアのそこは何の抵抗も無く呑み込んでいった。
指とは比べ物にならないくらいの大きさに自然と息を飲む。
アポロは更に奥へと進む為にシルヴィアの足を大きく開かせた。
ずぷん、と音を立ててそれは進入してくる。


『っ…ねえ…』

「……ん…??」

『私の中…気持ちい??』

「…悪くねえ」

『今日、は…中に出して…良いよ…』

「へえ…じゃあ、お言葉に甘えて」

『ゃ、あっ…!?』


アポロはこれでもか、と言う位に無茶苦茶に腰を打ち付けてくる。
そうなれば嫌でもシルヴィアの腰も動いてしまって。
…もう今日は色々恥ずかしい。
穴が有ったら入りたい。


『っ…も…駄目…』

「俺の事…好き??」

『うん…好き…愛してる…ねぇ、だから中に頂戴…アポロが…欲しいの…』


こんな事云うなんてどうかしてる。
これは全部未だ謎の熱のせいだ。
普段なら思っても絶対口にしないのに。
アポロはシルヴィアの頬にキスを落とすと突き上げる速度を速めた。


『気持ち…良い…!!ヤだ…死んじゃうう…!!』

「くっ…」


飛び切り強く締め付けられてアポロはシルヴィアの望み通り中に全てを吐き出した。
そこでシルヴィアの意識は遠退いてしまい、すやすやと寝息を立て始めた。


「寝んの早っ…」


アポロは自身を引き抜くと自分もすっかり力が抜けてその儘シルヴィアの隣で眠りに就いた。







結局あの食堂の水が原因だったそうで。
勘が良い方はもうお気付きかもしれませんが…。
どういう経路でそうなったのかは分かりませんが水の中には媚薬が入っていたそうです。
勿論二人はそんな事は全く知らない儘、今日も元気に生きています。








2009.01.05.

いやっはー、2009年最初の更新が裏かい!!みたいな。
……笑えねー。
しかも無駄に長いし(--;)
泣きたくなってきたぞ。
…はい、そんなこんなで年を越える迄続けることが出来ました。
今年も宜しくお願い申し上げます。

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