短・中編
□Error Quest
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「っつーか、素直に言う必要ねぇだろ。あのクソ親父達が暴走して壊したとでも言っとけば」
オルハが肩を鳴らしつつ口を挟む。
親馬鹿二人をぶちのめすのは流石に骨が折れたらしく、どこか口調も投げやりだ。
「それは無理なのよ。女王様は人の心が読めるの」
「つまり、言い逃れは不可能って訳……残念だったわね」
「てめぇ、珍しく自分は何も壊してねぇからって……普段はシャルと二人でトラブルメーカーだろうが!」
鼻で笑うエアリーに、オルハが苛立ちを露にする。
その一方で、シャルは暢気に三明へ訊いてきた。
「なぁ、トラベル銘菓って何だ? 美味しそうだな」
「トラベル銘菓? 知らね〜けど、旅行の土産物かな。せんべいだったら俺も欲しい」
「そういえば、さっきクレスがくれたせんべい、すっげぇ美味かったな!」
「だろ? おむすびせんべい磯のり味だ。甘辛いせんべいと塩味の効いた磯のりが──」
「って、アンタ達いつまでその天然トーク続ける気!? それとオルハ君が言ったのはトラブルメーカー! 色々と災難を引き起こす人のことよ!」
せんべいの良さを語り出した所、陽南が怒涛の勢いでツッコんできた。
もう少し語りたかったが仕方ない。そろそろ王室だ。
「……なんか、緊張するな」
「あんた達は謝罪だものね。シャル、ヒナさん、頑張ってね」
「……喧嘩売ってんのかクソ女……!」
またもエアリーとオルハが睨み合う。二人はあまり仲が良くないのだろうか。
そんなことを頭の片隅で考えながら、三明は軽く手を振った。
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