短・中編
□Error Quest
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「それじゃ、行ってらっしゃ〜い」
「ってアンタも来なさいよ! なに無関係ぶってるの!?」
「だって俺は何も壊してね〜し、ヒミコ苦手だし。エアリーと二人で待ってる」
「駄目よ! ここまで来たら連帯責任! 共犯も同然よ!」
陽南に袖を掴まれたが、三明はスルリとコートを脱いで後退る。
しかし、今度はオルハに立ち塞がられた。
「お前の馬鹿親父がラブホ行くのを止めてやったのは誰だと思ってんだ? この恩に免じて付き合いやがれ」
「や、俺は別に、親父がセレブなフレンドに会いに行こうがど〜でも良……」
突然、重厚なドアが開く。そして、三明にとっては不吉な声が響き渡った。
「いつまでも立ち話していないで、さっさと入っていらっしゃい。それから空見三明さん、貴方も来て下さいね?」
「…………」
「三明……ドンマイ」
何故、名指しなのか。
思わず半目になっていると、陽南に同情混じりの声で励まされた。
「えーっと、その……」
「話は分かりました」
「って早! まだ何も話してないのに!」
陽南の「えーっと、その……」で総てを理解したらしいユエ王国の女王、妃巫女。
「私は心が読めるのですよ、シャル・アーシェイドさん。ですからオルハ・シャルロッドさん、いくら父親が親馬鹿変態クソ野郎でも、自身の罪を擦り付けるようなセコい真似は通用しません」
「……ちっ」
目を閉じたままの妃巫女にニッコリ微笑まれ、オルハは舌打ちする。
それにしても、相変わらず言葉の端々が腹黒い女王だ。
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