短・中編
□Error Quest
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「……何か言いたげですね、空見──いえ、クレセンティオ・スカイライトさん」
「さっき空見三明っつったじゃん。ワザワザ言い換えなくて結構デ〜ス」
「コラ三明、せめてもう少し態度に気を付けなさいよ!」
陽南に小声で注意されたが、どうせ女王の前では取り繕うだけ無駄だ。
「ふふ……さて、ただ弁償してもらうだけではつまらないですし」
「そういう問題なの!?」
「……エアリー、ヒミコにツッコんだら負けだ」
人の苦労する姿を楽しむような腹黒ドSだし、とジト目で玉座を見上げると、妃巫女がこちらを向いて口角を上げた。
「クレス、お前気に入られたな」
「……勘弁してくれ」
オルハにからかわれ、溜め息が漏れる。
そんな三明を尻目に、妃巫女は話を続けた。
「それでは、二つの選択肢を与えましょう。十年間おちゃめ貴族で住み込みタダ働きか、私が持つ水晶玉の整備を手伝うか、選んで下さい」
「って選択肢無いに等しいんですけどーっ!?」
今度は陽南がツッコむ。だが三明は、落ち着いて考えた結果、頷いた。
「そ〜だな。いくら高級ホテルでも、十年も足止めは無理だ」
「だよなぁ。飯も美味そうだし、ベッドも気持ちいいだろうけど……十年は」
「お前ら他にツッコむ所ねぇのかよ!?」
次に声を上げたのはオルハだ。
ツッコミが三人もいると賑やかだなぁ、と三明はしみじみ思った。
「けど、水晶玉の整備ってのがどうも胡散臭ぇな」
「クレス……あんた、本当ハッキリ言うわね……」
「普段はそんなことないんだけど、女王様とはどうも馬が合わないらしいわ……」
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