短・中編

□続・Error Quest
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【1001番道路】


桃の天然村を北口から出ると同時に空にそう浮かび上がったのを確認してから、どれくらい歩いただろうか。

桃太郎もとい三明と竹の妖精かぐや彦もといシャルは、順調に北に向かって足を進めていた。


老人の言葉をおさらいすると、このまま北上して行き、そこから少し離れた島に邪悪な魔物もとい赤鬼と黄鬼がいるという。

三明は、その2体の鬼こそが諸悪の根源なのではないかと考えたのだ。
よって、2人は邪悪な鬼を倒す為に、こうして北へと足を運ばせていたのだ。


「腹減ってきたな、クレス」


不意に、シャルが口を開いた。三明は、そのシャルの言葉を聞いて目を見開いてシャルを見た。

先程接待の時にせんべいを一袋完食し、老人から貰ったきびだんご20個を完食したばかりなのに、そのような言葉ば出るとは信じがたい。


「別に俺は何も持ってね〜よ」

「あ……うん、そうだよな。我慢するよ」


そう言うシャルだが、心なしかそわそわしているように見える。


「とりあえず、早いとこ3人と合流しよ〜ぜ」


空腹でトボトボと歩いているシャルを横目に、三明は言った。


「鬼2体倒すのに、俺達だけじゃちょっと心細いよな。姉御がいれば心強いんだけどな〜」

「……俺も、早くエアリー達と合流したいな〜……」


三明とシャルが、互いの仲間を想っていた、その時だった。


「っいやぁぁぁぁぁ!!!」


突如、悲鳴が聞こえてきた。


「な、なんだ?」


突然聞こえてきた悲鳴にうろたえるシャルの横で、三明は顔を上げた。


「……今の声は……」

「? クレス、心当たりがあるのか?」


三明は黙って茂みを掻き分け、悲鳴が聞こえた方に足を進めた。突然の事に一瞬目を見開いたシャルだが、すぐに三明の後を追った。

突如視界に飛び込んできた光景に、三明は足を止めた。


「一体何なのよこいつら!!こっち来ないでよもう〜!!」


その場にしゃがみ込み頭を抱えている赤毛の女……陽南の横で、何やら大量のヘビのような魔物がその女性に襲い掛かっているところだった。


「うわっ、なんだこいつら!!」


シャルがその光景を見て、思わず声を上げた。


「大丈夫か〜、姉御」

「み、三明!!」


その時だった。

すっかりお馴染みになったアップテンポのBGMが流れ出し、視界が暗転した。


【野生のヘビ×10が現れた!】


「名前、普通なんだな……」


【ヘビ:Lv8
 戦う
 道具
 逃げる】


「姉御、ここはとりあえず俺達に任せろよ」


三明は、自分の装備品である刀を鞘から抜き出しながら言った。


「やるぞ、シャル」

「わかった」


三明とシャルは顔を見合わせ、そして一斉にヘビの群れに飛び込んでいった。

そして、それぞれの武器で立て続けにヘビを蹴散らしていく。


【ヘビとの戦いに勝利した! ヘビの抜け殻を手に入れた!】


「クレスー、抜け殻だってさ。いる?」

「いらないわよ!お願いだから早く捨てて!」


三明が答える前に、陽南が慌てて言った。
シャルは、まぁ使い道も無いしな、と思い、ヘビの抜け殻を捨てた。




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