短・中編

□狼vs3匹の子豚
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「そろそろ、一人立ちの時期ですかね?」



この一言は、ヌクヌクと育った三匹の子豚達にとって、衝撃の一言だった……!




『オチ?それはどんな味なんだぶっ?(三匹の子豚より〜)』







「えっ? 何て言ったんですか?」

聞き返したのは銀髪の毛を持ち、緑色の瞳をした青年だ。
数多の女性を虜にする整った顔立ち、コロコロ変わる素直な性格から人付き合いも良好と伺える。


「ですから、旅立ちの時です」

「旅立ちってなんでやねーん!」

威勢よく立ち上がるのは黒髪黒目の青年だ。
先程の青年に比べると少し物足りない顔立ちに少し低めの身長。だが声は人一倍デカイ青年のチャームポイントは右目の泣き黒子だ。


「ロキさん、キッペーさん。貴方達は成人してるのですよ?」

「トシさん!俺等に出ていけと!?」

「いやや!わぃトシさんと離れとうない!」


トシさんと呼ばれる男性に銀髪の青年、ロキが酷く寂しげに呻き、キッペーは手元にあるハンカチを取り出し「うち達を見捨てるの!?」っと泣き真似をする。


「ですから……」

「いい加減にしろ、お前等」

「ルウ!」


黒髪を揺らしながら現れた女性は泣き叫ぶ二人からトシさんを助け出そうと、深い溜め息を付いた。

肩まである黒髪をそのまま流し、髪色と同じ瞳だが右目だけが燃えるような赤目は少し威圧的だ。


「成人したものは自分の家を持つ、豚界の常識だろ?」

「でも、離れたくないんや!」


男性でありながら、その存在は聖母のように優しく、ここまで立派に育ててくれたトシさんから離れたくない。

一生お供します!
っと先日宣言した所なのに…


「すみません、国から要請も来ましたので……」

「世間の風は厳しい!」


ロキは落胆した。



「……まあしゃーないやん。こーなったら可愛い嫁さん見付けてイチャイチャするっきゃない!」

「キッペーに嫁?豚野郎に嫁?」

「黙れ、雌豚」

「こらこら、喧嘩しちゃいけませんよ?」


一瞬即発の雰囲気の中、聖母(トシさん)の声にルウとキッペーは途端に「はーい」っと手を取り合う。


この人は聖人ではないか?と疑わずにはいられないロキだった。






〜☆〜☆〜



「さて、どうしようか?」


今までのが昨日の会話、

現在三匹の子豚は必要最低限の荷物を手に、ただっ広い野原の中にいる。


ロキの問い掛けにキッペーは「町に行く!」っと言い、ルウは「旅をする」っと言い出した。


「いや、ここは家を作ろう!」

「はあ?家を建てるのは大工さんの仕事だぞ?」

「せや、先ずは金を貯めて彼女を作って、社会的に安定してから結婚と云う生涯の城(マイホーム)を建てる──」


「物語通りに進めよ!」



ロキは二人に目をつり上げながら怒り出しました。
顔が整っているだけに怒る顔というのは恐ろしいものです。


ですが……



「なんやねん、やんのか?」

「…………」


沸点が高いキッペーは怒ると容赦ないのです。特に暴言には容赦無く叩き付けるだけにロキはいつも傷付きます。

しかし、ルウは無言なのです。そちらの方が恐ろしいロキは直ぐ様謝りました。


「いや、本当に──話進まないから形だけでもお願いします」

「しゃーないなぁ」

「家を作るか、」


渋々と言った態度でしたが、結果オーライでしょう。


「俺は煉瓦の家を作る!お前等はどうする?」

「木」

「藁や、」



……結果オーライ………?
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