捧
□気持ちの答え
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「がいー」
舌ったらずな幼い声に呼ばれ、ガイは不快そうに眉を寄せた。
「がぁいー」
軽い足音の後服の裾を掴まれてため息をつきたくなったが、ぐっと抑え振り返る。
「どうされましたか?ルーク様」
ガイはしゃがんでルークの目線に合わせて、優しく微笑む。
そんなガイにルークは不安そうな顔をしてガイの顔を窺うように覗き込んだ。
「がい、おこってる…?」
驚いたようにガイは目を見開いた。
「――…いいえ、怒っていませんよ。なぜ、そんな事を言われるのですか?」
「んー…」と声を漏らし、ルークは困ったような顔をしてガイの服の裾を離した。
暫く服を握っていた自分の手を見つめていたかと思えば、ルークは「なんでもない!」と言って走って行ってしまった。
そんなルークの後ろ姿を見つめながら、まだ温もりの残っている服の裾に触れ、あぁ皺になってる、なんてどこか遠くで思いながらそっと目を伏せた。
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