□罪の意識
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あれ。

俺は、ふとゼロスがいない事に気が付いた。
皆は気づいていないみたいで、今日の出来事や明日の予定を話している。

ゼロスは、いつもそうだった。気がついたら、いなくなっている。

「ちょっと、外に出てくる」

一言告げて外に出た。



外に出ると、ゼロスが大嫌いな雪が降っていた。

―…急いで探さないと。

何故かそう思って、自然と駆け足になる。
上着も何も着てこなかったから、少し寒い。
きっとゼロスも凍えているような気がして、俺はますます足を速めた。

「あ」

いた。

ゼロスは、宿から少し離れた丘に座っていた。
だいぶ前からそうしているみたいで、頭には雪が積もっている。

「ゼロス」

呼ぶと、ゼロスはぴくりと肩を揺らした。
俺は苦笑してから、

「積もってる」

と言って、頭の雪をほろってやった。

「…ありがと」

ゼロスは弱々しく笑うと、礼を言った。
あ、悩んでるな。

直感的に感じた俺は、ゼロスの顔を除き込む。

「何かあったのか?」
「え?」
「雪のせいかな、元気ないぞ」

頬に触れる。
手袋をしていないので、ひんやりとしたゼロスの温度を感じた。

「そんなことないぜ〜?ロイド君は心配性だなぁ」

ゼロスはいつものように笑って言うけど、俺にはわかる。
ゼロスの心が、寂しい、助けてって、叫んでる。

ゼロスを抱き締めると、ゼロスはびくっ、と体を震わせた。

「冷たいな」
「ず、ずっと外にいたから…」
「…ゼロス。」

背中を叩いてやると、ゼロスは息をのんだ。

「俺、頼りないか?」
「そんな事…」
「俺さ、ゼロスが辛い顔してるのを見るのが辛いんだ。…だから、無理するなよ。」
「…」

ゼロスはしばらく黙っていたけど、急に吹き出して笑いだした。

「本当、ロイド君って…」
「え、な、何だよ」
「んーん、何でも!ロイド君のおかげで悩みとかぶっ飛んだから!」

体を離すと、ゼロスはちゃんと笑っていた。そして、言った。

「あと、思った。ロイド君に会えて良かったって」

言ってから、ゼロスは俺にキスをした。

罪の意識
(産まれなければよかったって考えたけど)
(そんな事ないと思えた)
(だってロイド君と会えたから)




―――――
高田さまの素敵なサイトが1周年を向かえ、恐れ多くもリクエストさせていただいたロイゼロでした!
シリアスおいしいですもぐもぐ。
ゼロスはきっと内心男前なロイドにずきゅんずきゅんやられていますね…!可愛いです!
あんなリクエストがこんな素晴らしいものになるなんて…!本当にありがとうございました!
1周年、おめでとうございます!これからも頑張って下さい!


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