テイルズ短編

□冷たい、温かい
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デクアリ
―――――――



デクスがおかしい。

まぁアイツが変なのは今に始まった事じゃないけど。

前までは勝手に私の近くに来て腹立つくらいにこやかにベラベラとアリスちゃんアリスちゃん、って言ってたのに。

最近では近くに来てもどこか上の空で、虚ろな目をしている事が多い。



理由なんて、わかってる。


全部あのコアのせい。



別に、淋しいとか思ってる訳じゃないの。


ただ、調子が狂うのよ。



そう、それだけなの。











「あ〜あ、もーアリスちゃん疲れちゃった〜」

のびをして仕事のせいで固まった体をのばした。

ホーくん、と呼んでペシペシとムチで叩く。

少し青ざめて冷や汗をかいてるのは見のがしてあげるわ。

面白いし。


ちらりと周りを見てみても、3Kはいない。


…何、探してんのよ。


「ねぇ、デクスは?」


振り返ってホーくんをちらりと見ればビクリと肩を揺らす。

口元だけで笑ってやれば更に青ざめる。


「い、え…今日はまだ見てませんね」

「…そう」


声が素っ気なくなるのは仕方がないわ。

あいつがいつもと違う事をするからよ。


ブラブラとムチを揺らして苛立ちをあらわす。

そうすれば私の班は皆青ざめる。

まぁ、多少のストレス発散にはなるわ。



…それにしても、デクスの奴…。

今日は一緒に出かけてくれって言うから仕事だって早く終わらせてやったのに…。

…3Kデクスのくせに。


「もぅいいわ。はい解散解散。アリスちゃんは部屋に戻るから」


少し苛立ってる自分に腹が立つ。

少し歩幅が大きくなるのも嫌。


もう、本当に




嫌。




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