テイルズ短編

□待ってるから
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「あ〜…疲れたぁ…」

「本当に今日は大変だったな」


俺はベットへダイブした。



今、俺とロイドはエクスフィア集めの旅をしている。

野宿したり、エクスフィアを持ってる人間に抵抗されたりと、まぁ多忙な日々を過ごしてるわけよ。


「ゼロス、寝るならシャワー浴びてからにしろよー」


ロイドが呼びかけてきたけど今は起き上がる気がしない。


「…俺様もう寝る〜…」

「あぁもう、せめて上着くらいは脱げよ」


もぞもぞと上着を脱ぎ、布団に包まった。


そういえば最近ロイドと触れ合ってないな…


俺は布団から手を出してロイドにこいこい、とやった。


「ロイドく〜ん」

「どうした?」


思いの外、声は近くから聞こえた。


「一緒に寝ない?」

「……」


いつもならすぐに言葉を返してくれるのに、今日は無言だ。


「…い、いやさ。今日のロイド君何か変だな〜って思って…。べ、別に他意はないんだぜ!」


恥ずかしくてロイドの顔が見られない…

出したままの手だけが宙をさ迷っている。



きゅ、と手を握りしめられる感覚がした。



「ロ、ロイド…?」

「…いいぜ。寝ようか」



今までに見た事がないくらいに真面目な顔をしてて、

何故か少し不安になった。



「…どうした?寝ないのか?」

「い、いや。まさか誘いに乗ってくれるなんて思ってなかったから…。俺様驚いちゃった〜」


ヘラヘラといつものように笑う。


大丈夫。

ロイドも俺もいつもと一緒だ。


不安なんて感じる事なんて、ない。




…そうだよね?ロイド…




「…ロイド君」

「ん…?」

「いなく、ならないでね」

「………」



その言葉に、ロイドは何も返してくれなくて。




温かいロイドの腕の中で、何故か泣きそうになった。




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