テイルズ短編
□Strawberry!
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――ヒョイ
――パク
――ヒョイ
――パク
「…何食べてるんだ?」
ロイドが部屋に入ればゼロスが椅子に腰掛け、手に籠を持って何かを食べているところだった。
んー、と咀嚼をしながらゼロスが返事をがするとロイドに「食べながら喋るな。行儀が悪いだろ」と少し怒ったように言われた。
ゴクリと飲み込み、ちらりとロイドを見る。
「…知りたい?」
意地の悪い顔だ、とロイドは思った。
ゼロスは喋らなければ綺麗で、喋ればただの三枚目。
更にこんな顔をすれば極悪人だ。
はぁ、とロイドはため息をつき「…知りたい」と短く答えた。
ゼロスは満足したのか偉そうに「よろしい!」と言って笑う。
「苺だよ、苺」
籠の中をロイドに見せる。
中にはみずみずしい沢山の苺が入っていた。
「こんなに沢山、どうしたんだよ?まさか勝手に俺達の金を…」
「違う違う!まったくも〜、ロイド君の中の俺様のイメージってどんなんになってんだよ〜!」
教えんの止めようかな、とゼロスは拗ねたように口を尖らせる。
ロイドは少し面倒臭いな、と思ったがとりあえず「ごめんごめん」と謝った。
「軽い〜!」とただをこねたが、ゼロスはやがて諦めたように喋り始めた。
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