テイルズ短編
□Poisson d'avril
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「あ、今日の飯当番ってゼロスなんだな」
ひょこっとゼロスの体の脇からロイドが顔を覗かせる。
「こらこらハニ〜?危ないから顔を引っ込めてろよ〜」
へらへらと笑いながらもゼロスは力強くロイドの頭を押し戻す。
少し情けない声をあげてロイドは頭を引っ込める。
「ほら、出来たからこれ運んで」
よほどお腹が空いていたのか、「わかった」と短く答えロイドはテキパキと皿を運び出した。
「ロイド〜」
「お、コレット早いな」
「うん、もうそろそろお昼かなって思って」
ひらひらと手を振りながらコレットが柔らかい笑みを浮かべながら部屋に入ってきた。
そんなコレットに続きジーニアスとしいなも入ってくる。
「そうそうロイド、今日なんの日か知ってる?」
知らないな、と答えながら音をたてないように綺麗に食べ物が盛られた皿を机に置く。
「今日はエイプリールなんだってさサ」
「えい…ぷ…?」
「エイプリルフール!つまり嘘をついてもいい日って事!」
3人とも種類は違うが、笑みを浮かべている。
コレットは純粋に楽しそうに、しいなは少し呆れたように、ジーニアスは何か悪巧みをしているような顔だ。
「…でさぁ、ロイド」
「なんだ?」
首を傾げてジーニアスに問う。
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「ゼロスに嘘、ついてやらない?」
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