テイルズ短編

□これもまた青春です
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学パロ
―――――――



「ロイドくーん」

「んー?」


寝返りをうったロイドがとろりとした目でこちらを見る。


「予鈴、鳴ったぜ。戻んなくていいのか?」

「んー…」


絶対聞いてないだろう。

実際、ロイドはまた目を閉じて寝る体制になっている。


「ほら、起きろってばー。昼休み終わるぞ。ロイドくーん」

「うー…」


お腹いっぱいで眠いって子供か。

少し強めに揺すってやればロイドは眉間に皺を寄せて渋々といった感じで体を起こした。


「俺はロイドの為に起こしたっつーのに何だよその顔」


ほっておけばいいのに、わざわざ起こしてやるなんて俺も大概お人よしだ。

呆れて笑ってしまう。


「ほら、しゃんとしろ!授業始まるって、ば…」


気がつけば手を引かれてロイドの腕の中に居た。

ロイドは座っていて、いきなり手を引っぱられたせいかケツを床に強打した。


「…ロイドくーん?何かなー、この腕は。あとケツすげー痛い。俺さま泣きそうなんだけど」


それに退かしてくれないと授業に行けない、と言うと俺を閉じ込める腕の力が強くなった気がした。


「……授業なんか行くなよ」

「はぁ?俺さまこれでも授業はちゃんと受ける真面目くんなんだけど」

「うるせー。いいから、ここに居ろよ」

「…ここって」


背中に感じる温かさに、ため息をついた。

その温もりにどこか安心している自分が居るのも確かだ。


「…拒否なんて、出来ないって知ってるくせに。ロイドくんの意地悪」

「ん、知ってる」


後ろで笑った気配がしたのと同時に、授業の始まりを告げる鐘が鳴った。


「あーあ、さぼりだ」

「いいじゃん。俺はゼロスと居たかったんだ」

「……あっそ」


赤くなった顔を見られないように膝に埋めたが、きっと後ろの奴にはばれているんだろう。

また後ろで笑った気配がした。







――END――






―――――――
お昼一緒に食べてる2人。子供なロイドくんとちょっと年上なゼロスくん。


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