テイルズ短編
□俺の好きな色
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目が覚めた。
どれくらい寝ていたのだろうか。
(あぁ…俺、被験者…アッシュに……)
もう周りには誰もいない。
皆、俺を見捨てた。
裏切った――
気を失う前の記憶はあやふやだ。
ただ覚えているのは、ティアの言った言葉とアグゼリュス崩壊の事だけ。
そうだ、俺はたくさんの人を殺した。
…人を切る事すらあんなに恐れていたはずなのに…
楽しくて――嬉しくて仕方ない。
(おかしいな)
気持ちは仲間に見捨てられた悲しみでいっぱいだというのに、
「笑いが止まらねぇ」
そして体が疼く。
何故?
「そんなに血が欲しいかよ?」
思ってもない事が口から出る。
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