テイルズ 

□それぞれの幸せ
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2012年ロイゼロデーおめ!2人とも幸せになれ!
――――――



ふわりと髪が撫でられる感覚にゼロスは目を開けた。


「まだ寝てていいぜ」

「目ぇ覚めた」


くしゃりと笑ったロイドを見て起こすつもりだったんじゃないかと少し思ったが、ゼロスは何も言わずにそのまま仰向けになる。

そんなゼロスを諌めるようにロイドはまた髪を撫でた。


「ロイドくんさぁ、俺の髪触るの楽しい?」

「俺の髪ゼロスのみたいに柔らかくないからさ、ゼロスの髪触んのすげー楽しい」

「…あっそ」


照れたのか、ゼロスは赤くなった顔を隠すように俯せになってしまった。

それでもロイドは諦めずにゼロスの髪を梳いたりして遊び続ける。


「恥ずかしい奴…」

「慣れてるだろ」

「…まぁね」


枕に埋めたままゼロスはため息をついた。

目を閉じればロイドの手の動きがリアルに感じられて不思議と安心した。


(こんなに安心できる人ができるなんて)


自分も大概変わったものだ、とゼロスは小さく笑みを零した。


「どうした?」

「いや?なんか、変な感じ。ふわふわするっつーか」


どろどろと生温い場所で溶かされるような、むず痒いような、なんとも言えないこの感じ。


「でも、なんか…」

「幸せだろ?」

「…うん」


やっぱり恥ずかしい奴、と呟くと、ロイドは笑ってゼロスの横に転がった。


「…でも、あんまり甘やかして欲しくないかも」

「それは無理だ。俺はまだゼロスを甘やかし足りない」

「…なにそれ」


呆れたように返すゼロスに、ロイドは微笑んで抱きしめた。

ゼロスは拒まずに、そのまま受け入れるようにロイドの胸に顔を埋めた。


「俺ってほんと幸せものー…」

「当たり前だろ」


独り言に返事が返ってきたからか、ゼロスは驚いたように目を丸くした。


「俺がお前を幸せにしたいって思ったんだ。幸せにするって決めたんだ。だから、幸せになってもらわなきゃ困る」


かっとゼロスの顔が赤く染まる。


「あー、もう。幸せだよ、馬鹿」


ぎゅっとゼロスはロイドの背中に手を回すと、その温もりを確かめるように目を閉じた。





――END――



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