小説

□朝
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目が覚めると朝になる。それは人にも寄るが大抵は―そうだろう。夜、仕事に疲れて風呂にも入らずベッドに倒れ込み、ふと気が付くと光で目が覚める。この光に対し人々は様々な感情を抱く。日の暖かさ眩しさに押されて「今日も一日頑張ろう」と思うか、日の光を感じると同時に仕事へのだるさを感じるかだ。

残念ながらこの者は後者だった…。
「どうしたのよ?竹内さん」社内に入ると同時に駆け寄ってきた。香水の匂いがきつい。「いや、一寸構わないでくれないか。昨日そんなに寝てないんだ」嘘だった。「そう」と言いその女は長い髪を揺らし元の席に戻った。しかし、回りの視線が痛かった。
無理も無い、今日の私は最悪だったからだ。見た目も、内面もだ。
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