小説

□題名は無いね…(前編)
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「なんも思いつかないよ…」
僕は頭を掻いた、マジで参った。
「何が?」
と言ったのは僕の相棒。




 風が吹いた、静かな風。
また、風が吹いた。
そよ風だった。
 はらはらと舞い落ちる白い粉、それがボクの手の中に…。
 白い息が出た。
「雪の命は短いね、すぐに消えて無くなってしまうんだ。固まって一緒になってないと生きていけないなんて悲しいね」
そう言いながらもボクの手の雪は溶けていってしまった。
 ここは公園、いつしかボクのお気に入りの場所となった。
 そして時計塔。

 空を見上げれば相変わらず、どんよりと曇っている。暖かい雪がボクの顔に付く。
 公園の中の子供たちや大人で一杯だった。皆楽しそうに遊んでる。
 昨夜は東京にしては珍しいくらいの大雪だったから今日は辺り一面銀世界、コンクリートやアスファルトでさえも最低でも10cm以上の雪が積もってしまったから交通機関はかなり麻痺してる。
 でもそんなことは露知らず、子供たちは無邪気に雪だるまを作ったりソリに乗ったりして遊んでいた。もちろん皆厚着で。
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