メガテン

□これは小説でもなんでもない。
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ピクシー、メガテンの常連、可愛いよね。
レベル低いくせにジオンガなんて恐すぎる。

「ヒーローくん、初めまして、ピクシーよ。今後ともよろしく。

私の身長は二十センチくらい?
小さいって思ってるでしょ、でも大人よ。
妖精ってこんなもん」


歩く蝋燭に火がついたようなもん、妖精ウィリーだな。友達は叩くことしか脳の無い妖精ノッカー、ぴょんぴょんぴょんぴょん跳ねてばっかでうっとおしい。

「うっとおしいって言うなよー、こう見えてもタルカジャがつかえるんだぜー」

「そんなにあつくなるなよノッカーくん」

「あつくなってるのは君だろー?」

カチン

「火ィつけちゃる〜!」

それが側にいたハーピーに飛び火した。

「キャー、マハラギなんか使っちゃいやん」

ハーピーの羽ばたきによって火もろともその場にいた妖精たちがごろんごろんと転がった。

「うわー」

一同。

どかっと鳴った。
誰かが痛いと言った。
きゃあ、ノッカーの拳が何かにあたりそれから悲鳴が上がった。

「ハロウィンじゃないのに呼び出された私の気持ちが解らぬであろうな」

くるぶしまで伸びた赤く長いスカート、光るナイフを持つ手、長い髪そして前髪で表情は見えない。

「カリアッハベーラおばちゃんだ!」

「なんと」

「顔に手当ててどうしたんだい?」

ガシッ、掴む、指す。
「お前の、この手がやったのであろうがあああ!」

それは硬く握り締めたままの拳だった。

「おいらそんなのしーらない」

「なんと!では、私のこれで」

キラリ

「お前が二度とノック出来ないようにしてやるわ!」

おもいっきり降り下ろす。

「あ」

止まった。

「そっかあ、なんぃでかわからないけど顔が痛いから怒ってるんだね。ぷぷ、変な顔!」

ナイフを降り上げた格好のまま彼女の顔は赤々と燃えた。

「きっきっきっき」

「ウィリーみたいに燃えなくても良いのに。…なんだ、根暗なだけじゃん」

彼女は貴様あと言うつもりだった。

「キイーーー!」

今あえて言えばノッカーは今の今まで跳ね続けている。彼女の代弁をしよう。うざい。

ザクッ、ザクザクザク。
ひょいひょいひょい。
小柄なノッカー、素早いノッカーには当たらない。

「私の顔を傷物にいー」

「治ってるのに。顔面がこぶだらけだったけどさ、ピョンピョンっと」

「は?」

「ディ、ア、と言ったのさ。すっごい無理な言い方で、ほんとに治るとは思わなかったさ」

彼女ははっとなり顔を触った。念には念をいれ愛用の紫鏡で(オワッ!)自分を見た。

「ちょっと!これどこから持ってきたのさ、ジャパンのじゃん」

「ふっ、確かに治っておる。早く言えば良いものを――…ん?焦げ臭いぞ」

ジューとドレス(よく考えたらワンピースか?)の裾が燃えていた、の先には未だに気絶したウィリーの手(蝋燭)。

「ヒイ」

燃える燃える服が燃える。
これでも妖精(メガテンでは鬼女)カリアッハベーラは気が動転、パニック状態。
そのときノッカーは閃いた。

「あれを言ってあれを!そうすれば助かるよ」

「ぐああああ、あ、あ?…あそうか!よし!
マハブフーラ」

「は?」

凍える、雪の結晶にその場が包まれた。そして氷る、火は消え失せた。
残ったのは半裸の女性と、小人と、未だに倒れたままの蝋燭小人。

「ウィリー!大丈夫かい?ウィリー!あああそんな」

彼の炎は消えていた。

カリアッハベーラ、ブフで良かったんだ。何故、マハブフならずブフーラならずそのもっと上のマハブフーラを唱えるか。
下級悪魔ウィリー、しかも氷結系魔法を苦手とする者にとっては酷なことであったのだった。

「ウィリーーーイイイイ!!!」











「サマリカーム」


END.
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