白いエクソシスト

□-Opening-
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―3年前

雪が降っている夜の墓場は静かすぎる。
だからこそ聞こえた子供のかすかな泣き声。




そのベンチには千年伯爵と白髪の子供という異質な2人が座っていた。
白髪の子供の名前はアレン・ウォーカー。
左目には不思議な傷跡があった。



「もう泣かなくていいですからネv」


もうほとんど泣き止んでいたが、伯爵はそういってアレンの頭を撫でていた。


それをティキはしげしげと眺めていた。


「千年公。その子何?アクマ?」


仕事だ。と呼ばれてやってきたティキ・ミックはすでに正装していた。
たぶん、仕事のために用意されたのだろうと勝手に思い込んだティキは千年公に聞いてみた。


「アクマじゃありませンv我輩達の家族でスv」
「家族?・・・ひょっとしてノア!?」
「まだ覚醒はしてませんがネv」


ティキはアレンを見ながら思った。
確か、ノアは既に揃っていたのではなかったのか。
その子供は2人の話を聞きながら不安そうな顔をしていた。


「・・・で、今回の仕事って何?」
「簡単ですヨv我輩は忙しいので代わりにこの子、アレンの世話を頼みまスv」

「・・・まじっすか」

ティキが答える前に千年公は消えていた。

―ちょっとまて。
 いくらなんでもそれはないだろ。
 確かに千年公の今までの仕事も無理はあったが。


「いくらなんでも俺に子供のお守りはむりだって」


―しかも詳しい話はなし。か


「・・・あの」
「ん?」


ティキがアレンを見ると、アレンは少しうつむいた。


「なんか・・・ごめんなさい」


謝られると、ティキは少し焦った。


「いやいやっ;確かに千年公の仕事はいろいろと無理があるけど?今までだってやってみれば案外平気ってのもあるし?たぶん大丈夫だから!な?;」


―子供か俺は・・・;


「たしか・・・アレンだっけ?腹減ってない?飯食いに行く?」


とたんにアレンは笑顔になった。

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