白いエクソシスト

□白いエクソシスト―Poker―
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アレンには先に寝ててくださいと言われたが、ラビはアレンがどこへ行ったか気になっていた。
そこで、ブックマンとリマが寝始めたころ、ラビは静かに部屋を出た。

1階の居酒屋のフロアではご飯を食べていたときとは別の感じの賑わいがあった。
酒を飲みに来た男達が賭け事でもやっているのだろうと思ったラビは少し覘きに行くことにした。

「コール」
「またぁー!?」

ラビは目を疑った。見間違いでなければ、この居酒屋の常連らしき男が子供にポーカーで負けているのだ。しかもその子供はどう見てもアレンだった。

「アレン・・・何してるさ?」
「あれ、ラビ。来たんですか?」

アレンはラビを見ながら、プロ顔向けの手さばきでカードをシャッフルしている。

「くそ・・・もう一回だ!」

そして、アレンに負けた男は意地でも負ける原因を突き止めようとしていた。

「えーまたですか?」
「もちろん頼まれたことはやる!だから別条件でもう一度勝負してくれ!」

それを聞いて満足したのか、アレンは笑顔で答えた。

「いいですよ」

2対2でカードが配られた。アレンは自分の手札を見ながら何をホールドするか考えている。

「・・・一体ポーカーで何を頼んださ?」

ラビはこっそりアレンに聞いてみた。

「道案内ですよ。目的地である屋敷が一体何処にあるか聞こうとしたら、賭けにかったら教えてくれるって言うんでついでに道案内も頼んだんです」

―迷子体質なので。

アレンは自分のカードを三枚ずつチェンジした。
そのとき、ラビはアレンが手に何枚も重要なカードを隠し持っていることに気付いた。

「アレン・・・もしかしてイカサマしてるさ?」

イカサマがばれたのが味方だったから良かったのか、アレンは顔色ひとつ変えずに答える。

「ポーカーなんて勝つためにあるんですよ・・・。大体、先に仕掛けてきたのは向こう側ですから。僕は悪くありません」
「・・・さいですか;」

ラビはイカサマをしていることを平然で語れるアレンに冷や汗をかいた。
それを見た相手側の男は、何を勘違いしたのか、勝ち誇りながら自分の手札を明かした。

「どうだ!ファイブカードだ!」

男の手札は、ジョーカーを含めた5の数字で構成されている。
周りで見ていた人達が”おぉー”と歓声を上げた。

「・・・残念。こっちはロイヤルストレートフラッシュです」

よりいっそう大きくなった喚声が辺りに響いた。
アレンの手札はスペードのキングから10まで綺麗に並んでいる。
負けた男は口惜しそうに顔を歪ませた。
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