小説

□ダブルデート【逆転裁判】
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…夜7時、楽しかった遊園地デートも終わりが近付いていた。
「もう、楽しい時間も終わりかぁ〜!何か、あっという間だね!」
「そうだね。一日て早いよなぁ!そう思わないか?御剣?」
「あぁ、そうだな。」
成歩堂達は、遊園地での楽しい時間にふけりながら、遊園地を出て、それぞれの帰路につこうとしていた。
「ここで、冥ちゃんとは方角が違うから、バイバイしなきゃね!」
「冥ちゃん、今日は、楽しめたかい?」
「あぁ、楽しかった!」
満面の笑みを浮かべる冥ちゃん。
「そっかぁ!良かったな!御剣!楽しんでくれたみたいだから!」
「あぁ。」
「じゃあ、御剣、あとは、ちゃんと、冥ちゃんを家まで送ってあげるんだぞ!」
「あぁ。わかっている。」
「じゃあね!冥ちゃん!御剣さん!またね!」
そう言って、手を振りながら、成歩堂と真宵は遊園地を後にした。

「…行ったか。では、私達も帰るか。冥。」
そう言い、おもむろに差し出された右手に、冥は、戸惑っていた。
「何だ?この手は?」
その問いに、御剣は、今日一番の優しい表情で答えた。
「これは、私の気持ちだ。こういう形でしか表す事が出来なくて、すまない。」
「御剣…」
冥は、不器用にも、気持ちとして差し出された、その大きな手を掴んだ。
「温かい…」
それは、初めて触れた手の温もりだった。
「では、帰るぞ。冥。」
「バカッ!私の…グスッ…前を、歩…グスッ…ぐな…!」
そう言いながらも、冥は、御剣の温かい手を感じながら、歩いて行くのだった。

〈完〉

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