短編用

□かごめ かごめ
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  かごめかごめ 
   籠の中の鳥は
    いついつ出やる
     夜明けの晩に 
      鶴と亀が滑った 
       後ろの正面…




     ― だ ぁ れ ? ―






『はぁ…はぁッ…逃げなきゃッ…捕まったら殺されるッ…』





ある晩、吉原遊廓(よしはらゆうかく)から1人の女が脱走をした。






出産まじかの遊女である玲奈は大きなお腹を抱えながら必死に吉原から抜け出すために走っている。




後ろからは追っての声が聞こえ、走る足を無理やり前へと出して走ったが追っ手の声は虚しくもだんだんと近くなっていく。





『あぁッ…あがぁ…ッ』




焦りから玲奈は足がもつれてしまい転倒、お腹を強く打ってしまった。




『ぎゃぁッ…痛ッ…わっち…の…やや…こッ』





転倒した際にお腹を打ったことで玲奈のお腹には激しい痛みが走り、股からは血が流れ出していた。




『あぁ…ッあぁあぁあああッ…わっちの…やや…こッ…!』





玲奈は涙を流しお腹を抱えて死ぬな!死ぬな!と頭では念じていたが、声は気狂いのように叫んでいた。





その声に追っての人間は気付かないはずがなく、だんだんと近づいてきていた。






『いやあぁぁあああああッ…わっちの…あの方との…やこややこややこややこややこややこややこややこややこややこッ!!!!』






出血は止めどなく流れてゆき水溜りができるほどだ、これでは子供も流産してしまっただろう。







『ややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこややこヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコヤヤコッ!!!!』






大泣きをしていると後ろに人が居るのに気が付き振り向いた瞬間…



『…あッ…』



刀を持った男が立っていて、何かが首にあたった気がした。






最後に見たのは…地面に倒れる首がない自分の体と愛した男の笑みであった・・・。






かごめかごめ 
 籠の中の鳥は 
  いついつ出やる
   夜明けの晩に 
    鶴と亀が滑った 
     後ろの正面だぁれ?



   

ある遊廓に居た遊女は1人の男との間に赤子が授かった…



  
遊女はそれを隠し、出産するその日まで黙っていました。





だが…やはりお腹をみて気付かれ、臨月を迎えた子供をおろされそうになったので夜中に逃げたのだ。




逃げた遊女に気付いた店主は首切り役人を送り遊女を殺すように命じたのだ。







END

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