短編用

□オレンジ(花嫁の喜び)
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「「「玲奈結婚おめでとう〜!」」」

『ありがとう』

 6月の晴天の元、白いウエディングドレスを着た私に友人たちがお祝いの言葉をくれた。


「にしても、まさか玲奈が最初に結婚するとは思わなかったな〜」


『私もそう思っていたわよ、仕事が中心の生活だったし』




…そう…私には結婚は程遠いものだと思っていた。





 私は王手企業会社で主任を任されていて出世コースを進んでいたが、上に行けば行くほどなんの為に自分は上を目指しているんだろうという疑問が心の中に生まれていった。

 忙しい毎日に疲れていると同僚から合コンの人数が足りないので入ってくれとお願いされたので、日ごろから仲良くしている友人な為一応OKを出したのだ。

「ねぇ玲奈!合コンに行く予定の子が体調崩しちゃってメンバー足んないの!」

『ほかに可愛い子いるじゃない?渡部さんは?それに清原さんも』

 うちの会社の受付嬢をしている2人の名前を出してみると目の前の彼女は眉間に皺を寄せた。

「彼女らお高くとまりすぎて無理!」

 
まぁ、確かに彼女たちはお嬢様だからあまり私達みたいな連中とはあまり関わりを持たないようにしていたのだ。


「ねぇ〜友達のよしみでお願い!」


『…ふぅ…何時から?』


「19時にカフェ トスカで!」


『わかった』
 

 一応今日やらなければならないプレゼンに使う書類はできているので、今日くらいは特に急用というほどの仕事もないので時間には余裕をもたせることができた。


 17時になり私と恵理は会社を出てすぐ近くにある自分が住んでいるマンションに戻りシャワーを浴びて服と髪の毛のセットと軽く化粧を施した。


「ねぇ玲奈〜どっちがいいかな?」


『そっちの青い服のほうが良いんじゃない?』


 なかなかどちらの服にしようか悩んでいる恵理に青い清楚な感じの服をチョイスすると急いで着替えを済まし化粧は自分でやってもらい髪の毛のセットを私がやってあげた。

 恵理のセットも終わらせると時間もちょうどいいくらいなのでバックを持ちカフェ トスカに向かった。


「いらっしゃいませ、お二人様でしょうか?」


「杉浦で予約が入っていると思うんですが…」


「はいご予約の杉浦様ですね、ではこちらにどうぞ」


 店に入ると店員がすぐにやってきて予約をしていた事を伝えると奥の夜景が綺麗な席に通された。


「あら!杉浦さんに藤崎さん!こんばんは!」


『こんばんは杉浦さ藤崎さん』


 席には2人の男性が席についていた、今回の主催者の杉浦健一(すぎうらけんいち)さんと藤崎桃矢(ふじさきとうや)さだ、2人とも仕事で知り合った人だ。


「こんばんは恵理ちゃんに玲奈ちゃん」


「玲奈ちゃんが合コンに来るなんて珍しいな!」


 さわやかな笑顔の杉浦さんに少し意外そうな顔で言う藤崎さんに笑みを浮かべて席に座った。


「今回お願いしたら来てくれたんですよ〜」


『よろしくお願いしますね』
その後も会話をしているとほかの3人と相手側の2人が来たが残り1人だけ遅れると電話が来て合コンがスタートした。



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